私は独立して間もなく5年。通算、業界歴は間もなく30年目を迎えます。
この特殊な業界ではベテランに入ると思います。自分の半生以上、探偵・調査業に
身を呈している訳ですが、我ながらよく続いているものだと感心すると同時に
この仕事が好きなのと、この仕事しかポテンシャルを発揮できないからだと考えます。
今は原則、1名の個人探偵ですが、浮気、素行などの行動調査の場合、よほどイージーと
予測される案件を除いて、基本は1~2名の応援を要請して、私はじめ2~3名で調査現場に
入ることが慣例なのですが、応援を要請する場合を含めて、自分なりに人的ネットワークを
構築しています(未だ途中です)。「探偵」という職業はつくづく生身の人間、人格の
ある様々な人間が仕事に従事している訳なのですが、本当に能力・センスはピンキリです。
近年は過払い金返還請求の仕事がピークを過ぎて、弁護士や司法書士(法務事務所)なども
一部「探偵業」に進出しているようですが、いくら法的知識の豊富な専門家であっても
調査そのものの泥臭いキャリアがありませんので、当然、調査は外部に丸投げです。
丸投げをされてしまったお客様は、良質な外部の調査業者の調査員に当たればラッキーですが、
その可能性はむしろ低いと思われます。
探偵も二極化が著しいようで、日々多忙な探偵社は、自社受けで精一杯、応援ほぼほぼ無理。
やはり腕利きの優秀な探偵だからリピーターも入るでしょうし、口コミ効果も期待できます。
他方、仕事のない探偵社も多く、腕のない探偵には、なかなか応援要請の声もかかりません。
当然のことです。
そういった中で、どうしても応援・協力をお願いしないと対応できない案件が入った場合、
お客様のことを第一に真剣に考えている私は、とても苦労します。
信頼してもらって調査の仕事が舞い込んで来ているので、その期待に応えたいと心底、考えて
いるのですが、協力要請の人選に頭を悩ます今日この頃です。
今は仕事の谷間で、久々同業他社のHPを拝見しましたが、事務所や会社概要に代表者名の掲載が
ないのは非常識だと感じますし、前々から聞いていた通り、名称は違っていても代表者が同一で
あったり、いわゆるタコ足営業の探偵事務所が多いですね。
確かに撮影機材など商売道具として極めて重要ですが、シュレッダーまで同業他社と比較するのは
自己顕示欲が高過ぎるように思います。この優劣比較の宣伝はオカシイですね。
HPでは、とにかく見栄え宜しく、何でも好き放題に宣伝できますが、本当に信用できる調査能力が
あるのか否かは、私の知っている範囲では、ごく一部に限らてしまうのでしょう。全てを信用しては
決して行けません。
如何せんグレーな業界なので、金儲けのためなら派手な広告で集客して、お客様の「満足度」が
ないまま「サヨナラ」する探偵業者もありますので、気を付けましょう。
にわか探偵やビジネス第一主義の探偵事務所が進出する限り、グレー色は一掃できない業界です。
2016.3.10