現在は、探偵、興信所の何れもが同じように捉えられているようですが、
本来、探偵とは、対象者に察知されないよう非接触による間接調査を
情報収集の手法にしており、代表的なものに「浮気調査」、「素行調査」、
「結婚調査」、「個人信用調査」等があります。対象は「人物」が主体です。
他方の興信所は、正反対で、対象者に自分の立場を明らかにして直接、聞き取り(取材)
する直接調査の手法を基本にしており、対象は「法人」(企業・団体)が主体です。
日本を代表する2大信用調査機関の「帝国DB」(TDB)、「東京商工」(TSR)が元来、
興信所から出発した企業です。
その他の大きなジャンルに「保険調査」がありますが、これは原則、全てをオープンにして
直接調査を行うことが多く、事実関係の検証が最大の目的です。再現実験を専門的に行っている
検証するための会社も存在します(民間の科捜研のようなポジション)。例外的にオープンではなく、
秘匿調査の手法に特化した探偵社にアウトソーシングするケースも往々にしてあります。
一番大きな括りは「調査会社」で、「調査業」の中にも「信用調査」、「保険調査」、「探偵社」、
「興信所」等と本来は細かく分類されており、何から何まで全て出来るオールマイティーな「探偵」は
存在しないのものです。何かに特化している探偵が非常に多いと言わざるを得ないのが実情で、
何にも特化していない探偵社は、当然、ビジネス至上主義の素人探偵集団なんだと考えます。
今の時代、「探偵」であろうが、「興信所」(個人的には同表現が大嫌い)であろうが、
お客様の要望に応じた的確な情報を少しでも低料金で提供できれば、それが優良な業者に
なる訳です。
私が強調したいのは、調査会社、探偵社、探偵事務所、興信所等の規模や知名度は無関係で、
案件を手がける現場の探偵は、生身の人間ですから、案件に携わる探偵個人により結果が
大きくバラついてしまう、より不確定要素の高いサービス業に陥ってしまうことで、調査を
依頼する場合には、慎重に「調査業者」、「探偵」を選んで欲しいものだと痛切に思います。
2015.12.15